こんにちは、ヨシオです。4月に入りしばらく体調を崩してしまったのと、仕事が繁忙のため更新が止まっておりました。ゴメンナサイ。
これからコンスタントに更新していきますのでよろしくお願いします。
4月になりましたね。5月から令和と元号が変わる発表もされてあっという間に一週間が過ぎようとしております。平成と元号が変わったのは私が中学入る手間でしたが。時間の流れの速さに戸惑いますね。
なんてセンチメンタルな気持ちになりましたが、このブログは音楽を始めたばかりの方で他の人と音を合わせてみよう、セッションに行ってみよう。そして音楽をもっと楽しむためには何をしたらよいかということを、自分の経験から導けたらというのが動機のブログです。また私は、サックスとハーモニカ(ブルースハープ)奏者ですので、初めて方で最初は何をしたらよいのかわからない、そんな方に向けてメッセージを発信しております。改めましてよろしくお願いいたします。
今回はサックス奏者である私の知りうる、国内海外サックスメーカーなどについて話してみました。今回は前に書きました記事『楽器は中古楽器か新楽器か』より話したことがありますビンテージサックスのアメセルついてもうちょっと詳しくお話してみたいと思います。
アメセルの特徴
ビンテージサックスとは、ある時期に環境のもとに制作された楽器で最良の楽器とした評価がされているサックスのことを指しております。
有名なのがセルマー社がアメリカで製造したサックス。略してアメセルです。
アメセルの成り立ちは、もともとフランスでサックスを生産していたセルマー社が1940年代前半にアメリカのジャズマーケット用に開発され、アメリカでパーツを組み立てから調整、塗装まで施されたものがアメリカンセルマーと呼ばれている。
マーク6と呼ばれるモデルがジャズプレイヤーの中では音の響き、音色、操作性において多くのサックスミュージシャンに、今なお高い支持されております。
当時の音楽の主流であったジャズミュージシャンたちにとっては安く手に入りやすかったであろうことが想像できます。
個人的には、ブルースハープのホーナー社のブルースハープも廉価で気軽に手に入りやすかった共通点から興味深いものがありますね。
逆にフランスで生産されたセルマー社のサックスをフラセルとも呼びます。
なぜこれほどアメセルの楽器の出来が良かったのか?実は楽器メーカーも同じ再現を試み、幾度も復刻版のようなシリーズを出しておりますがアメセルと並ぶような高い評価には至っておりません。下町ロケットのようなものづくりの情熱ある職人、その日の天候などいろんなものが関連しているため想像以上の楽器ができたことが、現在市場では希少価値として高い評価につながっているのかもしれません。ワインみたいですよね。楽器の不思議を感じずにはいられません。
アメセルの制作工程の違いは、楽器本体のラッカーの塗装工程がフラセルでは焼き付けで乾かす工程なのに対し、アメセルは自然乾燥で乾かしていた。
また、アメセルは低コストで廉価版で制作されていたためサックスで一番上のキー。すなわちF♯キーがありません。
管楽器は穴があるほど、音の安定がしにくくなる特徴がありますが、通常より1つ少ないことが結果的に音色、音の響きにプラスになった評価がされております。F♯キーがなくても変え指で出せるので問題なかったのもあったのでしょう。よく音が太いとか、安定した音がでるとか評価されております。
ただ、同じアメセル、マーク6でも当たりはずれはあるようです。
テナーサックスですと高い評価で200万前後。車買えちゃいますね。
時期を調べる参考としては本体左手親指のサムフック下に番号が振られております。これをシリアルナンバーといいます。製造番号ですね。
楽器屋さんでマーク6の金額があまりに安い場合はまず疑いましょう。
意図して作られていたわけではないので製造時期が後ろになるほど、質は良くないらしいので。
面白いのは、当時のジャズミュージシャンたちはあんまり深く考えず、安くて使いやすいのがいいぐらいに考えていたと思われます。
ビンテージサックスの落とし穴
個人的には、初心者には経済的な面、操作的な面からおすすめしません。
サックスを始めたら必ず一度は手にしてみたくなるビンテージサックスですが、逆になかなかクセがあって初心者には扱いずらいようです。
大学時代に同じジャズ研の友人がおりました。
彼はアルトサックスをやっておりまして、マーク6を持っておりました。
当時の彼のいた吹奏楽の先生に熱望していたビンテージサックスを購入すべく楽器屋さんに行き、先生にも選定してもらい、状態のよいマーク6を手に入れたのでした。年季が入ったラッカーの落ちた楽器で見ただけで雰囲気のある楽器を感じたのを素人ながら覚えております。
試しに吹かせてもらったことがありますが、初心者の自分からは音が出しにくい、そして音程が??ぐらい安定しにくいのでした。
それはカスタムバイクを普通の電気セルモータでエンジン始動するのとくらべて、足のキック始動でエンジンをかけてなおクラッチ周りとか独特のピーキーなセッティングといいましょうか…。操作しにくいなあというのが正直ないんしょうでした。のちに彼も音程などとるのが大変そうでしたし、楽器の魅力を最大限出せていたとは正直おもえなかった印象があります。
未だに友人と会うとあのサックスはマーク6なのかと酒の肴になるぐらい…。
( ´∀` )
そんな疑問が最近腑に落ちたのは、サックス誌のインタビューでファンキーサックス奏者で有名なキャンディーダルファーのインタビュー記事でした。
彼女もまた、音程が実に変わりやすくて音は素晴らしいけと難しい楽器だとぼやいていた内容でした。
ああ、あの時感じた??はこのことなんだーと
もちろんビンテージサックスを否定しているわけではないのです。
ただ、自分はコントロールできないなあと思ったのです。
自分にとってコントロールできない楽器を安定させながら、演奏するのは非常にストレスなので、自分はムリだなあと今に至ってます。
なのでビンテージサックスサックスを持っている方を否定しているわけではありません。
初心者の方であこがれて買ってしまう方、結構いらっしゃるので。
一度冷静になって本当にいいの?と熟慮をおすすめしたいです。
たぶん、自分のビンテージサックス買ってもいいなと思う水準は。
チャーリー・パーカーのドナリーとコンファメーションを吹くことができ。
ブレッカーブラザーズのサムスカンクファンクが吹けたら。
買ってもいいかもしれませんね。( ´∀` )
ちなみに自分の愛機はセルマーのスーパーバランスアクション80シリーズ
1か月工事現場でバイトして手に入れました。
思うのは、楽器のポテンシャルを限界まで出せるようになりたいと思うことです。だから、オーバートーンしてフラジオをいかなる形でも出せるようにし
あとは感覚で練習してます。楽器ない時でも。
久しぶりにまとめ
- アメセルは、低コストでアメリカマーケット向けに作られた。
- その時期の職人や製造工程で意図していない操作性と音の評価が高い楽器が生まれた。現在でも評価が高い。
- しかしクセや固体差が大きく初心者には扱いずらい
でしたー。
次回は、そろそろ音楽理論的な話をもう少ししたほうが良いのだろうかということに対して友人が登場します。よろしくお願いいたしますー。では。( ´∀` )
コメント
アメセルは、廉価版をアメリカで作ったものと表現すると、違和感があります。
組み立てられた楽器としてフランスから輸入すると関税が高く、それを避けるためにパーツ状態で輸入し、Selmer USA社(フランスのSelmer社とは別の会社)の委託先(Buescher社)で組み立てや塗装を行なったのが、いわゆるアメセル。関税が主な原因という話は石森のHPでも紹介されてます。
というわけでアメセルとは、自身もサックスメーカーとしてJazzの演奏家を熟知していたBuescher社が仏Selmerのパーツからサックスを組み立てたコラボの成果というのが、僕の調べた結果。Selmer USA社は、アメリカ市場向けに廉価版も販売していたけど、それはBuescher社など米国メーカーが設計製造したOEM版であり、アメセルとは別物。特にSelmer USA社が1960年代にBuescher社を買収した後は、Buescherブランドのプロ向け製品の生産販売を止め、BundyなどSelmerブランドの廉価版の生産に特化させていました。後年、Selmerがパーツ状態での輸出を止めたことで、いわゆるアメセルは作れなくなった。これを受けて、旧Buescherの工房が設計製作したのが、「最後のアメセル」と呼ばれることのあるオメガという機種。でも、フランスのSelmer社とは無関係なので、アメセルとは言い難い、なんて後日談もあります。
ひらさわ旦那様、貴重なご指摘ご指摘ありがとうございます!
当時のジャズマーケットから見ると、大量な消費時代との到来もありフランスの生産工程と比べて、廉価を大量にアメリカマーケット内に出回ってらせた印象でしたが、調べてみると一概にそうではないのが伺えました。
1940年代のアメリカでは当時のフラセルと比べると確かに安いのが出回っていたようですが、逆に当時のミュージシャンが何を基準に楽器を得ていたというのもとても興味ぶかいものがあります。いずれにしても、当時のノウハウを蓄積しているのになぜアメセルの水準を復刻できないのかという謎があり、ロマンを感じます。
この辺をまた自分も深く調べてみたいと思います。